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「シェルム!!!」
フライハイト家の二階、シェルムの部屋の窓に向かって名前を呼ぶ。
するとひょこっと顔を覗かせるシェルム。
「あれ、ルーくん!どうしたの?」
「シェルムは知ってたのか・・・俺との・・・許嫁の話・・・」
「うん!だいぶ前にお父さんから聞いてたよ」
「知っててOKしてくれたのか?」
「うん!だってルーくんとはずっと一緒にいるつもりだったし」
「許嫁ってずっと一緒にいることでしょう?」
「それは・・・そうなんだけど・・・」
今の言動からするに、シェルムは許嫁の意味がちゃんとわかってるのかどうかあやしい。
でも俺とずっと一緒にいることには嫌がるそぶりは見せない。
「俺と、ずっと一緒にいてくれる・・・?」
「もちろん!これからもルーくんと一緒にいたいよ」
俺のはちゃんと恋心だという自覚はある。
シェルムの気持ちがどうかはわからない・・・でもこれからも一緒にいれる。
それはわかる。
「あ!ルーくんそういえば、最近ララちゃんと一緒に街にビーズ買いにいったんだよ」
「かわいいビーズいっぱいあって、私もララちゃんも迷っちゃってね~」
「今度かわいいの作れたらルーくんにもあげるからね!!」
「ありがとう」
「うん!!!」
まだ、まだ自覚にはシェルムは幼いのかな・・・
俺と歳が少し離れてるから・・・今ずっと一緒にいると思ってくれてるだけでも。
俺はめちゃくちゃ嬉しいから。
シェルムが俺の許嫁。
この時ばかりはいくら尊敬する父であっても、なんだか許しがたい気持ちになった。
***
後日、正式にフライハイト家との顔合わせがあって。
俺とシェルムは正式に許嫁になった。
シェルムだけはずっと事の重大さに気づいてなかったけど。
いつかちゃんと俺に恋心向けてくれれば嬉しい。
騎士道のために鍛えることを目標としていたが、
シェルムにちゃんと男として見てもらえるように鍛えるようになった。
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