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= 魔法学園 =


魔法学園に入学してから、俺はたくさんの事を学んだ。

剣術に関しては幼少の時から父から学んでいたものの魔法はからっきしで。

魔法を学ぶ専門学園なだけあって、自分の得意魔法でもある炎の魔法を伸ばすことが出来た。


先祖代々伝わる懐中時計をパチンと閉じれば炎を繰り出し、
さらにそれを剣にまとわせ攻撃魔法にする。

右耳に付けている角タイプのピアスを使って槍の様に魔法を繰り出したりと、
攻撃に長けたものもたくさん学んだ。

かといえば、物を大きくしたり物を浮かせたりするなどの初歩的な魔法や、
シェルムのためにと頑張っていた箒も今では軽々と乗れる。


ただ俺も入学したばっかりの1年の頃はまだまだ反抗期から抜け出せなくて、
先生や同学年の友人たちにはたくさん苦労をかけたと思う。

先輩方にも楯突いたり、同級生とたくさん喧嘩した。


その度に先生方に諫めてもらい、
なんども同級生たちとやりあううちに打ち解け、俺には兄弟はいないが、
兄弟のような親友であり、唯一無二の仲間になった。


進級に関してはそれほど問題に感じなかったが、年々パワーアップしていく仲間や、
試験内容、イベントなど飽きることなくここまで過ごせたと思う。


そう、俺はいつの間にか最終学年、4年生になった。


最初こそ、シェルムがいなくて心配で。誰かに取られてしまうのではと思い、
手紙も出してはいたが、長期休みがあれば毎年すぐに帰省した。

会えば安心するし、離れていても変わらず笑ってくれるシェルムに、
俺は安心感と信頼を覚えていた。

離れていてもシェルムとは繋がっていると。


1年から4年の年月は、俺とシェルムを大人に近づけるには十分で。

でも大人に近くなってきたからこそ足りなくて。


歯がゆさはずっと気持ちのどこかにあった。
卒業すればまたシェルムと会える。そうあともう1年あと1年頑張れば・・・。





**********



前の4年生たちが寮の部屋を空け、そこに新しい1年生がやってくる。

今日は入寮日。
俺も新たに1年生の荷物の搬入を手伝う。

なんでも同室の1年生は姉弟と離れたのが寂しかったとかで、飛び級したっていう噂だ。
年下なのに大したものだ。

1年生の荷物が落ち着いたところで寮の中を案内する。男子寮と女子寮。
談話室に食堂。

俺も1年生の頃には案内されたなと思い出しながら。


「食堂でお茶でも飲もうか、疲れただろう?」

1年生を誘いつつ、俺も腹が減ってきた。
昔から腹減りには適わない。全ての機能が俺は停止してしまう。


1年生に食堂での頼み方をレクチャーしようとしたところだった。





「待って~ララちゃん!!」



「!!」



バッと振り返る。
そこには食堂からちょうど出ていくところの従妹のララと見知った金髪の髪。


「シェ・・!!」


ルム と とっさに声をかけようとしたところで、
ララが金髪の子の背中を押してさっさと出ていく。

ベーッと舌を出してそそくさ出ていくララを見ながら俺は呆けてしまった。




シェルム・・・?

まさか、シェルムは地元の学校に進学するはずじゃ?

ララが魔法学園に入学するのは知ってたが・・・。



同室の1年生を放っておくわけにもいかず、俺は悶々としつつも。案内を続けた。



もし見間違えじゃなければシェルムも1年生として入学している?

そんなことこの前電話では何も・・・。




俺の思考はぐるぐる回る。


その後探してはみたが、門限の時間になってしまい、女子寮に近づくことは出来なかった。










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