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あれから幾度となく、いそうな場所。談話室や食堂、1年生が行動する場所へ赴いたが、
なんだかんだシェルムであろう金髪の女の子には会えずじまいでいた。
入学式当日。
清々しいぐらいの青天で、絶好の入学日和だった。
俺も新入生案内で学園に駆り出されている。
こんな時代があったな~と思いながら、新入生たちを眺める。
結局、電話で母親に聞いてもシェルムが入学してるかは聞けずじまい。
ララの両親とは仲が悪いわけではないが、
ララと共に入学してるであろう金髪の女の子の話はなかなか聞けなかった。
俺もことシェルムになるととことん弱気になってしまう・・・そういう自覚はある。
1年生は制服もローブも真新しくて各々緊張の表情、早速友達ができたであろう面々や
キョロキョロして危なっかしいやつやら・・・
自分の1年生の時を振り返る。
はじめて親元を離れて、緊張していたかというよりは舐められないようにって尖ってたな。
あれは今思い出すと黒歴史か?ちょっと恥ずかしい。
ここ、Wizard Programは少し変わっていてすぐに交流の場を広げる意味もあるのか、
入学式が終わった後すぐに近くの海辺でサマーフェスティバルと呼ばれる実習がある。
炎の技が得意な俺だが、水魔法はからっきしだったな。
今はちょっとは対応できるようになったかもだな。
騎士になるもの弱点も克服しないとな。
ここにいる1年生もそうやってやっていくんだろうな。
俺も残り1年気を引き締めていかないと。
ちょうど入学式も終わり、皆各々の教室に戻るためにばらける。
俺も一通り終わったし戻るか。
そう思っていた矢先。
どこから来たのか目の前に入学式のパンフレットが落ちた。
拾おうと思い、屈んだ途端。
「だーれだ!!?」
突然背中に重み、目の前はだれかの手で真っ暗。
「・・・・・ったく」
俺は声色に心当たりがあったので、そのまま背中の人物をおんぶする形で背負い、
目から手をどける。
「シェルムか!やっと顔だしたな!」
「あれ!?気づいてたのー!?」
「どうしてこの学園にいるんだ?」
「ルーくん、驚かせようと思って」
にこーっと悪気なく笑うシェルム。
「っていうか恥ずかしいからおろして~!!!」
っていうシェルムを無視して俺は寮までシェルムをおんぶすることに決めた。
「理由をちゃんと聞くまで開放しない!」
「えー!?」
やっと会えたのだから、簡単には離さない。
ただ約1名の従妹の視線が突き刺さるように感じるがそれも無視だ。
せいぜいキリキリしてみてるんだなとララの方に目配せする。
その日、学園行事はもうなかったので談話室で洗いざらいシェルムから話を聞いた。
ともあれ本当に同じ学園に入学するとは思っていなかった。
だが、一緒にいれる時間が増えたことが俺はたまらなく嬉しくて、
この1年が本当に楽しみで仕方なくなった。
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