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あの夜のあとは、寮にシェルムをおくり、俺も自室に帰った。
なかなか夜は寝付けなくて次の日機能できなくて大変だった、俺が。
あの夜のことは・・・今のところ二人だけの秘密。
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年を越し、シェルムはピアス穴を開けて俺のピアスをつけてくれている。
シェルムの耳元でピアスが揺れる度、俺は幸せな気持ちになった。
そして、学園では留学生歓迎のニューイヤーフェスティバルが開催。
留学生がきて学園が一気ににぎやかになる。
ニューイヤーフェスティバルでは、ゴーストダンスパーティの時とは違って、
カジュアル形式のパーティ、皆それぞれテーマカラーでカジュアルなドレスに身を包む。
皆小さくなってスノードームの中で過ごす。
スノードームは動きながら各教室を巡りながら・・・学園案内も兼ねている。
中では俺も学園最後ということで、男女や学年関係なく友人たちとダンスしたり、
やっぱりシェルムとダンスしたり、
帰省中のお土産がテーブルに並んで俺はそれを同級たちと舌鼓みをうつ。
2月はグラシデアデイ・・・
お世話になってる方々に感謝の気持ちを伝える日、
学園の近くでは花束を売るマーケットが立ち並ぶ。
俺も当然シェルム用に99本のひまわりを買い届けてもらうことにした。
ひまわりは本数によっても花言葉が変わるらしい。
そして、もう一人渡すと決めた人物がいる。
その一人用にマーケットで花を買う。
花の名前はブライダルベール。
花言葉は”あなたの幸せを願ってます”
これは幼少期から何かとバチバチしてしまう従妹のララへ。
ブライダルベールは自分で運べるので、その足で従妹の元へ向かうことにした。
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シェルムとララは一緒にいて、シェルムが俺に気づいて手を振り、
ララはまたあからさまに嫌そうな顔をする。
先に魔法で届いていた99本のひまわりは無事シェルムに渡すことが出来た。
「わー!!ルーくんありがとう~!!」
予想通り喜んでくれて、一つ一つ大事そうに見て回っている。
ララは・・・そんな様子を複雑そうに見ている。
ここのところ、ララの様子がおかしかった。
あれはニューイヤーフェスティバルからだったろうか。
どうやら同級生の一人から逃げ回ってるらしいという話はシェルムから聞いた。
あの二人をどうにかしたいという話も聞いている。
「ララ!」
「何?」
「これを・・・」
さっとブライダルベールの花束を出す。
「・・・・!!」
まさか俺から花束をもらうとは思わず驚いた顔をする。
「まだ内緒にしてたからシェルムからも聞いてないと思うが、」
「俺はシェルムと将来の約束をした。」
「・・・結婚する約束?」
「ああ」
「・・・知ってた」
「だからいろいろ邪魔してきたんだもんな」
「・・・わかってる、シェルムちゃんもそうだったから」
ブライダルベールの花束をじっくり見ているララ。
「シェルムちゃんを不幸にしたら許さないから」
俺の視線とララの視線がまっすぐぶつかる。
「わかってる」
「シェルムちゃんが泣いてたらいつでも駆けつけてルークから奪うから!」
「ああ」
「・・・おめでとう、複雑だけど」
「ありがとう、俺はおまえの幸せも願ってる。ララ」
「・・・ん」
ララは決意した顔をして歩き出した。
俺はシェルムとひまわりの元へ向かう。
従妹は何か決心したようだった。
ブライダルベールの花言葉は”あなたの幸せを願ってます”
99本のひまわりの花言葉は”永遠の愛””ずっと一緒にいよう”
学園の残りの時間もあと少し、シェルムと一緒にいられる時間もあと少し。
残りの1日1日を俺は大切に過ごしていきたい。
大切な人たちと。
Thank you for reading !!!
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